音楽

イリーナ・メジューエワ ピアノ ≪鏡≫~ラヴェル/ショパン/スクリャービン

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ラヴェルのピアノ曲を最近よく聴くようになりました。今まで、あまり聴く機会の無かったラヴェルさん。特にピアノ曲は、あまりドビュッシーとの違いが分からず、ならドビュッシー聞くわ、という感じでした。しかし最近、夜のガスパールや亡き王女のためのパヴァーヌといった曲にふれ、少し興味が出てきました。

そこで今回は、イリーナ・メジューエワのアルバム ≪鏡≫ 。ラヴェル、ショパン、そしてスクリャービンのピアノその他を含みます。

タイトルの「鏡」という組曲を、今回初めて知りました。

作曲は1904年〜1905年。夜のガスパールの3〜4年前、ラヴェル30歳の時の作品です。5曲の、なんとなく物語性を匂わせるタイトルの小曲群。

  1. 蛾(Noctuelles)
  2. 悲しげな鳥たち(Oiseaux tristes)
  3. 海原の小舟(Une barque sur l’océan)
  4. 道化師の朝の歌(Alborada del gracioso)
  5. 鐘の谷(La vallée des cloches)

1曲目の蛾は、娼婦をあらわしている、とWikipediaさんがおっしゃっています。確かに、蝶々の軽やかな感じではなく、少し禍々しさが感じられますが、哀れさと惨めさが薫る小品。音で、蛾の姿を表した訳ではないでしょうが、曲の途中で鱗粉が舞う姿は確実に見えますね(笑)。

このブログは電車の中で、iPhoneのUlyssesを立ち上げて書き、後で家のMacで仕上げてます。唐突に何だ、という感じですが、実は、夜の電車の中でこのブログを書いていました。すると、ちょうど白い蛾が入ってきて、千切れそうになりながら飛んでいきました。そしてヘッドホンからは「蛾」が流れている…。偶然の一致に不思議な感じがしました。蛾って、茶色だったりギラギラした模様のイメージがありますが、このラヴェルの「蛾」はきっと白い蛾だ、という感じがしました。

絵画の印象派を、ラヴェルの音楽の話で持ち出すのもどうかと思いますが、白い色なのに、細かく青や赤や緑が散りばめられているような、複雑で、豊かな色彩のパレットを使いながら、無垢な白百合を描くような。そんなところが、ドビュッシーのピアノ曲とは違う点かなと感じました。ドビュッシーも同じ豊かな色彩のパレットからは、白い光が分解された、色とりどりのプリズムが聴こえます。

しかし、電車の中にあの白い蛾が飛んでこなければ、この「鏡」という曲集はどれほど印象に残ったのだろう…。

イリーナ・メジューエワに触れるのが遅くなってしまった。また別の機会に彼女のことを書こうと思います。

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